第3回 WAKKAN&Recycled Brooklyn「スティーブ」


古いものにはストーリーがある

久しぶりのインタビュー企画。第3回目のゲストは先日ニューヨークはブルックリンへ行った時に会ってきた、世界が注目している、廃材を使いカッコイイ家具を作る職人「RECYCLED BROOKRYN:リサイクルドブルックリン」(以下R.Bとする)のスティーブさん(以下インタビューではSとする)に突撃インタビューしてきました。

 

 

なぜそのスティーブさんにわざわざ海を越えてまで会いに行ったのかと言うと、わたくしWAKKAN(以下インタビューではWとする)は日本でリサイクルショップを運営していて、ゴミを減らす活動だったり、古い物の価値をより高めていく活動に興味があり、その最先端にいる一人が、スティーブさんだと思ったから。

 

 

 

レンガ壁の大きな倉庫が見渡す限りに広がるブルックリンのレッドフック地区。まだ治安が良いとは言えないが今世界が注目するエリアのひとつ。その一角にR.Bの作業場はあった。

 

 

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いざ作業場の建物の前まで行き、恐る恐る中をのぞいて見ると、とても楽しそうに笑顔で木を削っている人がいた。その人がまさにR.Bのスティーブさんでした。作業の合間を見計らい声をかけたら、快くインタビューにも応じてくれました。

 

 

W:なぜリサイクルドブルックリンを始めようと思ったんですか?

 

S:7年前に住んでいたアパートの大家さんに、テーブルを作って欲しいと頼まれて作ったのが全ての始まりだったんだ。その後、何度かその大家さんからの依頼で家具の修理や製作をする事となって、気を良くした大家さんはそのアパートの一階にあるバイク工場の裏の敷地をわたし達に借してくれる事になったんだ。その時わたしは広告業(兄は映画ライター)だったんだけど、段々家具作りが面白くなってきて思い切って兄弟でR.Bを立ち上げることにしたんだ。

 

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W:今では日本でも名前を聞くようになるくらい有名になりましたが、ここまでトントン拍子で来たわけでは無いと思います。今までで大変だったことは何ですか?

 

S:材料はその辺でもらってくるか友達の解体屋さんから連絡がきて廃材を回収しに行くんだけど、その材料集めがとにかくいつも大変だよ。数年前までは毎週の様にフリーマーケットに出店し、自分達の作った家具を売込み、常に買ってくれる人を探していたよ。でもそんな活動を続けるうちに、その噂はどんどん広がっていき、今ではアパレルメーカーのティンバーランドや自動車メーカーのKIAからも什器の依頼がきて、終いにはCMにも出せて貰えるようになって、正直ビックリしてるよ。

 

ティンバーランドH.Pより

www.timberland.co.jp/markmakers/recycledbrooklyn/

 

 

W:輝かしい活躍の裏側にはそんな苦労が隠されていたんですね。この活動で1番楽しいことは何ですか?

 

S:現在の作業場の隣に、僕らの作ったテーブルが置いてあるバーがあって、そこで毎日お酒を飲むことかな。よくタダで飲ましてくれるんだけど、そういえばこの前はノラジョーンズがきて最高だったよ。あと、たまに作業場の前をメグライアンが散歩してるんだ。ハローと声をかけると手を振ってくれる。その瞬間が最高だね(笑)

 

 

W:楽しいことはすべて仕事以外のところなんですね(笑)でもそんなところが逆に素敵です。この活動で1番大切にしていることは?

 

S:リサイクルはエコとか色々あるけれど、古いものにはストーリーがあり、そのストーリーに”新たな命を吹き込み”そしてそれを伝えていくことだね。何より俺たちは元々古いものが大好きなんだ。あとこの生まれ育ったブルックリン発信にこだわりたい。ブルックリンを名乗ることが一つのブランドだし、今やそれが誇りだと思っている。

 

 

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(写真:廃材を使った製作中の家具達)

 

 

W:とても共感と尊敬できる部分があり感動しました。R.Bの未来の目標はありますか?

 

S:古い大きな倉庫でリサイクルのアトリエを作り、作った作品とその作品を作る作業をみんなに見てもらいたい。その奥にカフェやクラブも作りみんなが集まってくるような場所にしたいんだ。。。

 

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その後、リサイクルや家具に対する思いや、家具にかける思いなど、尽きない話はその後1時間ほど続きました。わたくしはそこで何を感じたのかと言うと、とにかく仕事にワクワクしていて、仕事がライフスタイルの一部になっていること。仕事を心から楽しんでいる事にとても魅力を感じました。

 

 

小手先のテクニックや仕掛けではなく、ちゃんとした思いがあり、そこにコツコツとした努力が乗っかったからこそ、R.Bの名前が世界へ運ばれていったんだと思います。

 

 

今後のR.Bの活躍に期待しながら、今回学んだことをわたくしも仕事に活かしていきたいと思いました。最後に貴重な時間とお話をいただいたRecycledBrooklynのスティーブさん、ありがとうございました。

 

 

 

リサイクルドブルックリンH.P

https://recycledbrooklyn.com

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